予告殺人 A MURDER IS ANNOUNCED アガサ・クリスティ 田村隆一 訳

予告殺人 A MURDER IS ANNOUNCED アガサ・クリスティ 田村隆一 訳

クリスティ自選10作品のひとつです。1950年戦後まもない時期の作品です。原子力を話題に入れるところはさすがクリスティです。ローカルな事件をミス・マープルは解決に導きます。正義のためには常にだいたんな行動を選びます。自分も他人も関係ありません。少しコワイです。

動く指 THE MOVING FINGER アガサ・クリスティ 高橋豊 訳

動く指 THE MOVING FINGER アガサ・クリスティ 高橋豊 訳

1943年の第二次大戦中の作品です。ミス・マープルの舞台である「イナカ」を表している作品です。これは現代の日本でもまったく変わらずとおってしまう普遍的な世界です。また世界全体もそうかもしれません。セント・メアリ・ミードは世界の雛形、箱庭といえるかもしれません。自選10作。

ABC殺人事件 THE ABC MURDERS アガサ・クリスティ 田村隆一 訳

ABC殺人事件 THE ABC MURDERS アガサ・クリスティ 田村隆一 訳

名探偵エルキュール・ポワロの作中での知名度を飛躍的に上げた作品です。どちらかというと密室系の事件へのかかわりが多いポワロですが、本作品においては動的なイメージで推理をします。今回は相棒のヘイスティングス大尉が南米から帰国中です。1936年の有名ミステリです。

ポケットにライ麦を A POCKET FULL OF RYE アガサ・クリスティ 宇野 利泰 訳

ポケットにライ麦を A POCKET FULL OF RYE アガサ・クリスティ 宇野 利泰 訳

1953年作品。ミス・マープルがロンドン郊外の高級住宅地に文字通り復讐の女神と化して顕現します。セント・メアリ・ミード出身の縁あった薄幸の少女の無念を晴らすため、マザーグースに見立てた殺人を打ち破り卑怯な犯人を追い詰めます。難解な頭脳戦でフルパワーを発揮します。

カリブ海の秘密 A CARIBBEAN MYSTERY アガサ・クリスティ 永井 淳 訳

カリブ海の秘密 A CARIBBEAN MYSTERY アガサ・クリスティ 永井 淳 訳

ふたりの合言葉は復讐の女神。ミス・マープルとラフィール氏、一期一会の友情の物語。1964年作品。互いに敬意を表し人間力を認め合った達人男女はこの事件以降二度と会うことはありません。しかしその信頼関係は最終作品「復讐の女神」でも一度も揺らぐことはありませんでした。

愛国殺人 THE PATRIOTIC MURDERS アガサ・クリスティ 加島祥造 訳

愛国殺人 THE PATRIOTIC MURDERS アガサ・クリスティ 加島祥造 訳

マザーグースとイデオロギー。と一見思われる作品ですが違います。イギリス社会の風潮をミステリのトレンドとして素材にするのが女王クリスティです。同時期発表された作品では封じていた社会的な気分をミステリに仕上げています。ポワロはいつものポワロです。1941年作品。

葬儀を終えて AFTER THE FUNERAL アガサ・クリスティ 加島祥造 訳

葬儀を終えて AFTER THE FUNERAL アガサ・クリスティ 加島祥造 訳

1953年。戦後8年です。イギリスの「ゆりかごから墓場まで」の現実がひしひしと伝わってくるミステリです。税制が変わり戦前とは比べものにならない税金で生活が一変したひとびとの悲劇です。イギリス社会は過渡期です。適応しなくてはいけません。命の値段が下落しています。

死との約束   APPOINTMENT WITH DEATH アガサ・クリスティ 高橋 豊 訳

死との約束  APPOINTMENT WITH DEATH アガサ・クリスティ 高橋 豊 訳

古都エルサレムからペトラ遺跡、死海を舞台にしたミステリです。1988年「死海殺人事件」として映画化されました。ローレン・バコールが出演しています。原作は1938年に出版されました。臨場感あふれるミステリです。ポワロは時間の整合性に注視してアメリカ人家族を救済します。

満潮に乗って TAKEN AT THE FLOOD  アガサ・クリスティ 恩地 三保子 訳

満潮に乗って TAKEN AT THE FLOOD  アガサ・クリスティ 恩地 三保子 訳

戦後の混乱期イギリス。社会制度が戦前と様変わりし上流階級も労働階級とかわらず逼迫している1948年度クリスティ作品です。戦中から戦後へと急速に時計の針が進められ一族の欲望と野心が絡んだミステリです。ポワロは粛々と自分の天分を発揮して事件を解決に導きます。

白昼の悪魔 EVIL UNDER THE SUN アガサ・クリスティ 鳴海四郎 訳

白昼の悪魔 EVIL UNDER THE SUN アガサ・クリスティ 鳴海四郎 訳

クリスティの地元デヴォン州の島を舞台にしたリゾートミステリ。アガサ・クリスティの壮年期の傑作です。1941年作品。ナイルの事件からまだ間もないポワロが保養に訪れたスマグラーズ島のホテルで起きた殺人事件。妖精譚の多い土地柄の事件が陽光のもと意外な展開を見せます。

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