殺人は容易だ MURDER IS EASY アガサ・クリスティ 高橋豊 訳
クリスティの代表作を連発していた時期の1939年度の田舎町のミステリです。同年「そして誰もいなくなった」を発表しています。物語の後半に大物警視としてバトル警視が登場します。そのおかげで純粋に元植民地警官の主人公とシンクロして当時の田舎の風景を眺めつつ推理を楽しめます。
ーアガサクリスティ、とその他ー
クリスティの代表作を連発していた時期の1939年度の田舎町のミステリです。同年「そして誰もいなくなった」を発表しています。物語の後半に大物警視としてバトル警視が登場します。そのおかげで純粋に元植民地警官の主人公とシンクロして当時の田舎の風景を眺めつつ推理を楽しめます。
「チムニーズ館の秘密」の事件から四年後1929年です。ふたたびチムニーズ館に事件が発生します。今回のヒロインは危険人物アイリーン・ブレント、バンドル嬢です。まわりの男たちを軽々と手玉に取りアタマを抱える父親を尻目にドンドン進みます。それはロンドン警視庁のバトルの予想を上回りました。
1925年、前年「茶色の服の男」で南アフリカの冒険譚を描いたクリスティは今度は南アフリカからイギリス本土へ男を向かわせます。舞台は外国来賓を迎える侯爵所有のチムニーズ館。ロンドン警視庁きっての慧眼の警視バトルのデビュー作です。彼は四年後のチムニーズ館「七つの時計殺人事件」でも登場します。
クリスティ1936年の一級品推理小説です。トランプのブリッジが題材です。ルールは知らなくても大丈夫。過去を清算するためのたくみな駆け引きがハラハラします。ポワロをはじめとして、オリヴァ夫人、バトル警視、レイス大佐と豪華メンバーなのもみどころのひとつ。
「ゼロ時間へ」にはポワロとミス・マープルは登場しません。しかし「ゼロ時間へ」ではアガサ・クリスティは魔術のような筆力で読者を引き込んできます。いつの時代もひとは変わらないと教えてくれます。アガサ・クリスティ自選10作品のひとつ。1944年の作品です。