
青列車の秘密 THE MYSTERY OF THE BLUE TRAIN アガサ・クリスティ 田村隆一 訳
1928年出版。クリスティが38歳、自身が評価しなかったミステリとされています。カナリア諸島で書き上げられました。この年アガサ・クリスティは失踪事件の渦中の人となりました。セント・メアリ・ミードが出てくるいろんな意味で興味深いミステリです。ポワロは相変わらずです。
1928年出版。クリスティが38歳、自身が評価しなかったミステリとされています。カナリア諸島で書き上げられました。この年アガサ・クリスティは失踪事件の渦中の人となりました。セント・メアリ・ミードが出てくるいろんな意味で興味深いミステリです。ポワロは相変わらずです。
1976年アガサ・クリスティの死後出版されたミステリ。舞台はデヴォン州とおなじみの土地です。ミス・マープルが復讐の女神を思わせるように事件に挑みます。若い夫婦を守護するためディルマスを訪れ忘却の彼方の謎をオトナ女子ネットワークを駆使して最後は身体を張ります。
紀元前2000年の世界。クリスティしか考えつかない異色作です。1945年作品。眼前に展開する古代エジプト世界はめまいがしそう。まぶたに浮かぶヴィジュアルです。そして今も昔もかわらない利害が関係する家族のリアリティ。さらにアガサ・クリスティ的な奥行きある恋愛小説です。
ロンドンムカシオトナ女子ライフミステリです。ビートルズ旋風の1965年出版。老後のしあわせ指南書です。エドワード朝のたたずまいを残すバートラム・ホテルを足がかりにロンドンを駆け巡り買い物するミス・マープルの青春ミステリ。オトナ女子も食べ物もいっぱいでてきます。
アガサ・クリスティ渾身の豪華ミステリです。いくつものドラマが複合的に展開します。悠久のナイルの流れは神秘的に登場人物たちに審判をくだします。1937年のエキゾチックなミステリです。ポワロ、レイス大佐のツインキャスト、ヴィジュアル度は時代を超越しています。
大戦中に執筆され1975年に出版された名探偵エルキュール・ポワロの最後の事件。クリスティがベストの時期に描かれたポワロです。非常に深い内容で恐ろしい事件を扱っています。ポワロが相手にする相手はまさにモンスター。善のメンタリスト対悪のメンタリストの死闘が見事です。
ポワロもミス・マープルも出ません。しかしオリヴァ夫人が登場します。ビートニク、テディ・ボーイ、エスプレッソ、家電製品など当時のモードをとらえつつも対比してるのが黒魔術的な呪いです。しかも使用される毒物が現代を予言するような非常に怖いハナシです。1960年作品。
戦後すぐ1945年のミステリです。アガサ・クリスティのレイス大佐登場最後の事件になります。レイス大佐は60歳過ぎです。誕生日と万聖節の夜提供される飲み物はタイトルの発泡するシアン化合物。シャンパンに仕込まれた青酸カリです。プロのMI6対CIAの勝負でもあります。
過去をさかのぼる有名な1942年作品です。若い娘の将来のため16年前の事件の真相を追うポワロ。アツイです。得意のスサマジいシミュレーション能力を発揮して事件を再現します。チョコレートをすすってるヒマはありません。砲台庭園でおきた事件の真相とは。
1958年作品です。善意とはなにかを突きつけられる異色のテーマです。クリスティの家族観を垣間見ることができます。どこか春にして君を離れを思わせる内容です。対象が失われたままの行き場のない感情はどこにいくのでしょうか。アガサ・クリスティ自選10のひとつです。