ヒッコリー・ロードの殺人 HICKORY DICKORY DOCKI アガサ・クリスティ 高橋 豊 訳
フルブライト奨学生のアメリカ人、アフリカからの留学生など多国籍な学生が滞在する学生寮での若々しいミステリです。この1955年イギリスではヒッピー文化の萌芽がすでに表れているようです。場違いなポワロは事務所の精密機械ミス・レモンの不安を払拭すべく奮闘します。
ーアガサクリスティ、とその他ー
フルブライト奨学生のアメリカ人、アフリカからの留学生など多国籍な学生が滞在する学生寮での若々しいミステリです。この1955年イギリスではヒッピー文化の萌芽がすでに表れているようです。場違いなポワロは事務所の精密機械ミス・レモンの不安を払拭すべく奮闘します。
名探偵エルキュール・ポワロの作中での知名度を飛躍的に上げた作品です。どちらかというと密室系の事件へのかかわりが多いポワロですが、本作品においては動的なイメージで推理をします。今回は相棒のヘイスティングス大尉が南米から帰国中です。1936年の有名ミステリです。
クリスティの地元デヴォン州の島を舞台にしたリゾートミステリ。アガサ・クリスティの壮年期の傑作です。1941年作品。ナイルの事件からまだ間もないポワロが保養に訪れたスマグラーズ島のホテルで起きた殺人事件。妖精譚の多い土地柄の事件が陽光のもと意外な展開を見せます。
大戦中に執筆され1975年に出版された名探偵エルキュール・ポワロの最後の事件。クリスティがベストの時期に描かれたポワロです。非常に深い内容で恐ろしい事件を扱っています。ポワロが相手にする相手はまさにモンスター。善のメンタリスト対悪のメンタリストの死闘が見事です。
1958年作品です。善意とはなにかを突きつけられる異色のテーマです。クリスティの家族観を垣間見ることができます。どこか春にして君を離れを思わせる内容です。対象が失われたままの行き場のない感情はどこにいくのでしょうか。アガサ・クリスティ自選10のひとつです。
アガサ・クリスティ1939年ミステリです。数々の舞台、映画がつくられました。マザーグースを軸に場所的集中、時間的集中、人的集中が結晶した教科書のようなミステリです。過不足なく調和のとれた人物描写はさすがアガサ・クリスティ。アガサ・クリスティ自選10のひとつ。
「ねじれた家」にはポワロとミス・マープルは出てきません。アガサ・クリスティ自選10作品のひとつです。ひとの才能はどの方向に開花するのか。アガサ・クリスティの「ねじれた家」は現実を描いているかのようです。1949年度作品。後悔しない一冊です。