
暗い抱擁 The Rose and the Yew Tree アガサ・クリスティ(メアリ・ウェストマコット)中村多恵子 訳
メアリ・ウェストマコット名義4作目。1947年。バラとイチイの樹のタイトルが象徴的な作品です。タイトルはポワロが登場するあの名作「杉の柩」を思わせ、ヒロインは後年の傑作「終わりなき夜に生まれつく」のエリーのようなどこか超然とした人物です。善悪の彼岸に達しています。奥行きがある、はっきりスゴイ小説です。
ーアガサクリスティ、とその他ー
メアリ・ウェストマコット名義4作目。1947年。バラとイチイの樹のタイトルが象徴的な作品です。タイトルはポワロが登場するあの名作「杉の柩」を思わせ、ヒロインは後年の傑作「終わりなき夜に生まれつく」のエリーのようなどこか超然とした人物です。善悪の彼岸に達しています。奥行きがある、はっきりスゴイ小説です。
1947年出版。12編。ギリシア人(?)の英雄ヘラクレスはアポロンの宣託に従い、あえて苦難の偉業に挑みますが、ベルギー人の探偵はバートン博士とのナタウリの栽培から発展したヨタ話からあえてこじつけたややこしい事件を推理します。この金持ち探偵は無聊をかこちすぎです。