
バグダッドの秘密 THEY CAME TO BAGHDAD 中村妙子 訳
1951年ロンドン娘の痛快大冒険小説です。光り輝く即興のウソと演技力を武器に天涯孤独でも人生を押し進みます。行動力パねぇす。ヴィクトリアの中のひとなんていません。右脳全開ヴィクトリア・ジョーンズはクリスティの化身かも。ウソと芝居は女の武器です。ゴー!ヴィクトリア。
ーアガサクリスティ、とその他ー
1951年ロンドン娘の痛快大冒険小説です。光り輝く即興のウソと演技力を武器に天涯孤独でも人生を押し進みます。行動力パねぇす。ヴィクトリアの中のひとなんていません。右脳全開ヴィクトリア・ジョーンズはクリスティの化身かも。ウソと芝居は女の武器です。ゴー!ヴィクトリア。
1954,55年作品。当時の国際情勢を反映したスリラーです。日本では昭和30年。ほぼ「ヒッコリー・ロードの殺人」と同時期の作品です。後年の「フランクフルトへの乗客」の雛形ともいえる内容で、逆に言うと当時いかに将来に不安を抱えていた世界であったかがうかがえます。ポワロは出ません。
クリスティの80歳誕生日記念作品です。1970年にこの世界に対して感じた印象を結実させた作品とも言えます。まえがきに書かれたとおりの内容です。パイカウェィ大佐とロビンスン氏が登場します。どんな時代でも真の教養を身につけた人物は影響は受けないのがわかります。
紀元前2000年の世界。クリスティしか考えつかない異色作です。1945年作品。眼前に展開する古代エジプト世界はめまいがしそう。まぶたに浮かぶヴィジュアルです。そして今も昔もかわらない利害が関係する家族のリアリティ。さらにアガサ・クリスティ的な奥行きある恋愛小説です。
ポワロもミス・マープルも出ません。しかしオリヴァ夫人が登場します。ビートニク、テディ・ボーイ、エスプレッソ、家電製品など当時のモードをとらえつつも対比してるのが黒魔術的な呪いです。しかも使用される毒物が現代を予言するような非常に怖いハナシです。1960年作品。
戦後すぐ1945年のミステリです。アガサ・クリスティのレイス大佐登場最後の事件になります。レイス大佐は60歳過ぎです。誕生日と万聖節の夜提供される飲み物はタイトルの発泡するシアン化合物。シャンパンに仕込まれた青酸カリです。プロのMI6対CIAの勝負でもあります。
1958年作品です。善意とはなにかを突きつけられる異色のテーマです。クリスティの家族観を垣間見ることができます。どこか春にして君を離れを思わせる内容です。対象が失われたままの行き場のない感情はどこにいくのでしょうか。アガサ・クリスティ自選10のひとつです。
アガサ・クリスティ1939年ミステリです。数々の舞台、映画がつくられました。マザーグースを軸に場所的集中、時間的集中、人的集中が結晶した教科書のようなミステリです。過不足なく調和のとれた人物描写はさすがアガサ・クリスティ。アガサ・クリスティ自選10のひとつ。
冒頭「我が終わりのときに始めあり」スコットランド女王メアリ・スチュアートの有名なことば(ことわざ)で始まります。「終わりなき夜に生まれつく」はアガサ・クリスティ自選10のうちのひとつ。アガサ・クリスティが愛した1967年の作品です。ポワロとミス・マープルは出てきません。
「ねじれた家」にはポワロとミス・マープルは出てきません。アガサ・クリスティ自選10作品のひとつです。ひとの才能はどの方向に開花するのか。アガサ・クリスティの「ねじれた家」は現実を描いているかのようです。1949年度作品。後悔しない一冊です。